ザ・デイ・アフター・トゥモロウが本当に来るのか?・・という話

うおみ

2008年01月21日 15:19

こんなニュース見つけちゃいました。お魚ニュースといいつつ本日は海流の話です。

ニュースの概要だけ紹介しています。詳しい話はこちら
January 20 2008 Guardian Unlimited

大西洋のフロリダから Canary Islands(カナリア諸島) にかけての海底に配置されている数基のロボットサブマリンと海洋センサーのデータから Gulf Stream(メキシコ湾流) が弱くなる可能性を示す数値があがっているそうです。

このシステムは Rapid Watch と呼ばれ、最新の水中モニタリングテクニックを使って北極の氷床が溶けた冷たい水が英国沖を流れる暖流にどのような影響を与えるのか監視しているのです。

この暖流がなくなると英国の冬はカナダと同じくらいの寒さになり、港は凍りつき雪嵐に国中が閉ざされることになるといいます。極端に言えば映画 The Day After Tomorrow と同じことが起きる、と Rapid Watch のコーディネーターである Southampton Oceanographic Centre(サザンプトン海洋センター) の Meric Srokosz 氏は語ります。

映画ではメキシコ湾流が2、3日の内に消滅するという設定でしたが、実際には長い時間がかかるとのこと。しかし10年の内には起こるのではないかと彼は考えています。Rapid Watch はそうした海流の弱まりがすでに起こっているのか、あるいは始まったばかりなのか見極めるために設計されたと彼は言います。

メキシコ湾流はメキシコ湾を発し米国東部の海岸に沿って北東に進んだあと西ヨーロッパに向けて大西洋を横ぎるように流れています。この海流がもたらす暖かさによって英国は温暖な気候を保っているわけです。前任のチーフ科学者である Sir Robert May が計算したところ、この暖流がもたらす暖かさは全英国の発電所が供給する電力の27000倍に相当するという結果でているそうです。

グリーンランドや北極から流入する淡水によって暖流が消えてなくなるという事態は、メキシコ湾流に沿って航海し、様々な地点の深さを計測しデータを収集したリサーチ船の調査結果によっても裏付けられているといいます。

Srokosz 氏ら研究メンバーによって2004年に海底にセットアップされた Rapid Watch は日常的にメキシコ湾流の計測を行う初めてのシステムであり、昨年初めて計測結果が発表されたとのこと。それによると暖流は予想できないような形で変動を繰り返しているそうです。

Srokosz 氏によるとこのシステムは今年の後半から本格的に稼動を初める予定であり、また現在は1000メートルの深さで作業できる調査ロボットが稼動していますが、それに加え5000メートルまで潜ることが可能なロボットを準備中とのこと。

◆◇◆
イギリスというと緯度的には北海道より北にあるため何か寒々とした印象がありますが、偏西風とこのメキシコ湾流のために比較的穏やかな気候なんだそうです。ロンドンの冬の平均気温は日本と同じくらいなんだとか。スコットランドの海沿いでも亜熱帯植物が見られるそうです。そんなところがカナダ並みの寒さになったら一大事ですよね。

直接の関係はないですが、英国の近所のオランダで「チューリップ島」造成か?というニュースを見つけました。同国の北海に面するランドスタット地方沖に国花であるチューリップを模した巨大人工島を造る計画が浮上しているとか。ヤシの木型やらチューリップ型やら色々と考え付くものだと思う次第です。ちなみにオランダも海流の影響を受けており、高い緯度のわりには温暖な気候とのこと。









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