あの巨大イカさえも・・・という話
こんなニュース見つけちゃいました。お魚ニュースといいつつ本日はまたまたあの巨大イカの話です。
ニュースの概要だけ紹介しています。詳しい話はこちら
16 December 2008
guardian.co.uk
太平洋の恐るべきプレデターとして知られる Humboldt squid(アメリカオオアカイカ) ですが、海水の状況の変化によっては容易に他の海洋生物の餌食となる可能性があることが分かったそうです。
人間の活動によって大気中の二酸化炭素が増大するにつれ海での濃度も増していきます。その結果イカが動きにくくなり、イカを大量に食べる
sperm whales(マッコウクジラ) などの天敵から逃れられなくなると科学者は考えているのです。
昼間アメリカオオアカイカはエサを求めて深海まで潜りますが、深海は酸素が少ないため夜には海面近くに戻ってこなければなりません。
University of Lisbon(リスボン大学) の Rui Rosa 氏はカリフォルニア沖でアメリカオオアカイカを捕獲しチームの研究船上の水槽に移しました。これらのイカが様々な濃度の二酸化炭素を溶け込ませた海水の中でどのような反応を示すかを調べるためです。
その結果イカが低酸素の海水を泳ぐときには代謝が80パーセントまで落ちることが分かりました。Rosa 氏は海水の二酸化炭素濃度を今世紀終わり(2100年頃)の予測値にして実験したところ、イカの代謝はさらに下がり、30パーセントというほとんど活動状態時の半分の値になることが分かったのです。
海の酸性化がさらに進んだ場合、アメリカオオアカイカは深海や海面近くでの狩りが難しくなり生息域が狭くなることが考えられます。そしてそれは海洋の生態系にとって深刻な連鎖反応をもたらす可能性があるのです。
「アメリカオオアカイカはおそらくより快適な生息域を求めて回遊をしなければならないでしょう。彼らはマッコウクジラの主食です。海の食物連鎖ががらりと変わるのではないでしょうか。」と彼は語っています。
◆◇◆
先日もアメリカオオアカイカが大挙して北上している
ニュースを紹介しましたが、その獰猛なプレデターにも大きな影響を与える事態が進行しているようです。
大気中の二酸化炭素濃度は、産業革命前は280ppmだったものが今では380ppm以上になっており、その多くが海に吸収されているのだとか。すでにサンゴをはじめ様々な生物への影響も取りざたされてきてますね。
巨大イカとは対照的な極小生物の
ニュースを見つけました。滋賀県の琵琶湖で新種のカイミジンコ11種類が発見されたそうです。1997年から2007年にかけて調査が行われ、これらの新種は湖底の堆積物から見つかったのだとか。琵琶湖の固有種の可能性もあるとのことです。
日本低炭素社会のシナリオ 二酸化炭素70%削減の道筋
ほんとうの環境問題
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