2008年12月16日
ツチクジラが出っ歯な理由とは・・・という話
こんなニュース見つけちゃいました。お魚ニュースといいつつ本日は謎だらけのクジラの話です。
ニュースの概要だけ紹介しています。詳しい話はこちら
15 December 2008 BBC News
beaked whales(ツチクジラ属) は約21種類に分類され、普通体長約4メートルほどで、主に深い海に住むクジラです。中には生きた状態での目撃情報は皆無で、死んで漂着したものしか知られていない種類もいます。
これらのクジラのオスは下あごの2本の歯が口からのぞいている不思議な形状をしていますが、この度調査の結果その理由が判明したそうです。
Marine Mammal Institute Oregon State University(オレゴン州立大学海洋哺乳類研究所) の副所長 Scott Baker 博士は、ツチクジラ属はクジラ目の中で唯一キバのような歯を持つ生物であり、主食はイカであるにもかかわらずなぜこのような歯を持つのか科学者達を長い間悩ませてきたと語っています。
メスにはこの歯はありません。そしてこの差が唯一彼らを見分ける糸口となるのです。研究チームは14頭のツチクジラ属のクジラから DNA サンプルを取りそれを使って進化をたどる系統図を作りました。
ツチクジラ属の進化について考えられる仮説の一つは、広い海から隔絶された海底谷毎に違った種類のグループが現れ、その進化パターンによって歯の形も変わってくるというものです。しかし遺伝子的な調査によりそうではなさそうなことが分かったのです。
これらの歯はメスが同種のオスを確認する助けになっていると Baker 博士は語ります。ツチクジラ属のクジラは形や色が非常によく似ており見分けるのが難しいのです。メスは歯の形から同じ種類を見分け、さらにそれぞれの個体の歯のサイズや形、傷跡などをもとに結婚相手を選び出しているのではないかというのです。
近種の生物でも違った特徴があることは、メイティング相手の選択を誤ることを避けるために重要なことだと博士は語ります。違う種類の生物と交配することで成育する確率が減ったり、sterile mule(不妊のラバ)の例のように繁殖ができなくなるなど弊害が表われる可能性が高いためです。
しかし博士によるとミステイクの例もあるとのこと。Blue whale(シロナガスクジラ) と fin whale(ナガスクジラ) は自然界でハイブリッドの子供を産むことが知られており、また飼育されている pilot whale(ゴンドウクジラ) と bottlenose dolphin(ハンドウイルカ) の間にも子供が生まれた報告例があるそうです。
◆◇◆
雄のロバと雌のウマの間にできた子供が mule(ラバ) で、その逆の組み合わせで生まれた子供は hinny(ケッテイ) というのだそうです。どちらも子供を作ることはできないとのこと。
ツチクジラ属に属するクジラはいまだに謎が多く、正確な生息数や生息場所、種類数などは分かっていないのだとか。藁をたたいてやわらかくするのに使うハンマーのような道具を槌(ツチ)といいますが、このクジラがそれに似ているために名づけられたそうです。
まだまだ自然界には謎の生物がたくさんいるんですね。
ツチクジラとは関係ありませんが興味深いニュースを見つけました。上野の国立科学博物館で開催中の「菌類のふしぎーきのことカビと仲間たち」という特別展が大人気だそうです。この特別展は10月11日に開幕し、約2ヶ月で10万人の大台を突破、博物館研究者のトーク企画も期間を延長するほどの人気ぶりとのこと。展示内容もさることながら開場をナビゲートする人気漫画キャラクター「もやしもん」や、関連グッズ販売も好評だそうです。同展示は2009年1月12日まで開催予定とのこと。


クジャクの雄はなぜ美しい?



水産動物の性と行動生態

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15 December 2008 BBC News
beaked whales(ツチクジラ属) は約21種類に分類され、普通体長約4メートルほどで、主に深い海に住むクジラです。中には生きた状態での目撃情報は皆無で、死んで漂着したものしか知られていない種類もいます。
これらのクジラのオスは下あごの2本の歯が口からのぞいている不思議な形状をしていますが、この度調査の結果その理由が判明したそうです。
Marine Mammal Institute Oregon State University(オレゴン州立大学海洋哺乳類研究所) の副所長 Scott Baker 博士は、ツチクジラ属はクジラ目の中で唯一キバのような歯を持つ生物であり、主食はイカであるにもかかわらずなぜこのような歯を持つのか科学者達を長い間悩ませてきたと語っています。
メスにはこの歯はありません。そしてこの差が唯一彼らを見分ける糸口となるのです。研究チームは14頭のツチクジラ属のクジラから DNA サンプルを取りそれを使って進化をたどる系統図を作りました。
ツチクジラ属の進化について考えられる仮説の一つは、広い海から隔絶された海底谷毎に違った種類のグループが現れ、その進化パターンによって歯の形も変わってくるというものです。しかし遺伝子的な調査によりそうではなさそうなことが分かったのです。
これらの歯はメスが同種のオスを確認する助けになっていると Baker 博士は語ります。ツチクジラ属のクジラは形や色が非常によく似ており見分けるのが難しいのです。メスは歯の形から同じ種類を見分け、さらにそれぞれの個体の歯のサイズや形、傷跡などをもとに結婚相手を選び出しているのではないかというのです。
近種の生物でも違った特徴があることは、メイティング相手の選択を誤ることを避けるために重要なことだと博士は語ります。違う種類の生物と交配することで成育する確率が減ったり、sterile mule(不妊のラバ)の例のように繁殖ができなくなるなど弊害が表われる可能性が高いためです。
しかし博士によるとミステイクの例もあるとのこと。Blue whale(シロナガスクジラ) と fin whale(ナガスクジラ) は自然界でハイブリッドの子供を産むことが知られており、また飼育されている pilot whale(ゴンドウクジラ) と bottlenose dolphin(ハンドウイルカ) の間にも子供が生まれた報告例があるそうです。
◆◇◆
雄のロバと雌のウマの間にできた子供が mule(ラバ) で、その逆の組み合わせで生まれた子供は hinny(ケッテイ) というのだそうです。どちらも子供を作ることはできないとのこと。
ツチクジラ属に属するクジラはいまだに謎が多く、正確な生息数や生息場所、種類数などは分かっていないのだとか。藁をたたいてやわらかくするのに使うハンマーのような道具を槌(ツチ)といいますが、このクジラがそれに似ているために名づけられたそうです。
まだまだ自然界には謎の生物がたくさんいるんですね。
ツチクジラとは関係ありませんが興味深いニュースを見つけました。上野の国立科学博物館で開催中の「菌類のふしぎーきのことカビと仲間たち」という特別展が大人気だそうです。この特別展は10月11日に開幕し、約2ヶ月で10万人の大台を突破、博物館研究者のトーク企画も期間を延長するほどの人気ぶりとのこと。展示内容もさることながら開場をナビゲートする人気漫画キャラクター「もやしもん」や、関連グッズ販売も好評だそうです。同展示は2009年1月12日まで開催予定とのこと。
クジャクの雄はなぜ美しい?
水産動物の性と行動生態
Posted by うおみ at 17:25│Comments(0)
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