2009年07月12日
生きた化石を数えつくせ!・・・という話
こんなニュース見つけちゃいました。お魚ニュースといいつつ本日の主人公は謎に満ちたあの生物の話です。
ニュースの概要だけ紹介しています。詳しい話はこちら
July 11, 2009 npr
Delaware Bay(デラウェア湾) の Pickering Beach(ピカリング・ビーチ) では1年に1度満月の夜にある生物のパーティーが始まるそうです。この集いは何百万年にも渡って続いているのです。
その夜、何千匹もの horseshoe crabs(カブトガニ) が産卵のためにいっせいに海から上がってくるのです。1匹のメスに数十匹のオスが覆いかぶさりキラキラ光る甲羅で数マイルにわたるビーチが埋め尽くされます。
Keith Rutter さんはこの年に1度の光景を見るのが好きだといいます。彼と彼の家族はただ見物するためにこのビーチにやって来るわけではありません。彼らは数を数えるために来るのです。
デラウェア湾沿岸は世界で最も広いカブトガニの産卵地です。しかし90年代から湾内のカブトガニの生息数は減少する一方です。そのためこの日、頭にヘッドランプを装着しウェーダーを着たボランティアたちが恋するカニたちの数を数えて記録するために集まったわけです。
カブトガニは生きた化石といわれており、その奇妙な形状は4億年以上前から変わらないといいます。彼らは火山の時代も氷河期も生き残ってきましたが、このビーチでのイベントは命がけです。約10パーセントのカブトガニは繁殖行動の最中さかさまになった体をもとに戻せず死んでしまうのです。
夜の調査を指導している Delaware Division of Fish and Wildlife(デラウェア魚類野生生物局) の水産科学者 Stew Michels 氏によると、一塊になったカブトガニをチェックしたところ、1匹のメスに数匹のオスが重なりおよそ10センチ砂に埋まっていたそうです。
1回の産卵でメスは約4000個の小さなグリーンの卵を産みます。運のいい卵は数週間で孵化し、10億匹にものぼるカブトガニのベビーが波間に消えていくのです。
午後9時4分ちょうど、満潮になるとともにチームは行動を開始します。1平方メートル内で産卵中のカブトガニを手探りで探しオスとメスの数をそれぞれ数えるのです。この日 Rutter さんの末娘 Jordan さんは13匹のオスと2匹のメスを見分けました。
波間で何層にも重なっているカニたちを数えるのはやさしい作業ではありません。しかし Rutter さん一家は素早く行動します。彼らは潮が引きカニたちが海に消えてしまう前にビーチの1キロ分をカバーしなければならないからです。
日の出までにほとんどのカブトガニは姿を消します。産卵後は卵が砂に覆われ浜辺はエメラルドグリーンに輝くといいます。
最新の調査によるとカブトガニの生息数は安定してきているとのこと。そしてここに集まった誰もが今回の調査結果が産卵数の増加を示すことを願っているのです。
◆◇◆
静岡大学の伊藤富夫研究室「アメリカのカブトガニ工場」によると、1850年ごろから1970年頃までデラウェア湾近辺には肥料やエサにするためカブトガニをすりつぶして加工する工場があったそうです。栄養価も高く優秀な有機肥料だったようですが、乱獲でカブトガニが激減したことに加えて安価な化学肥料の登場でこの工場もなくなったのだそうです。今では保護政策も採られており以前ほどとはいかないまでも数は増えているようです。
カブトガニとは関係ありませんが興味深いニュースを見つけました。北海道の羅臼町沖の根室海峡ではオスのマッコウクジラの回遊時期を迎えているそうです。知床半島周辺海域はクジラやイルカなど鯨類の宝庫で、回遊が見られるのは7月から9月にかけてとのこと。2005年に知床が世界自然遺産に登録されてから本格的にホエールウォッチングが始められ、全国から観光客が訪れるそうです。


生きた化石と大量絶滅 メトセラの軌跡



鳥羽水族館館長のジョーク箱(ボックス) アッと驚く動物たちの知恵

ニュースの概要だけ紹介しています。詳しい話はこちら
July 11, 2009 npr
Delaware Bay(デラウェア湾) の Pickering Beach(ピカリング・ビーチ) では1年に1度満月の夜にある生物のパーティーが始まるそうです。この集いは何百万年にも渡って続いているのです。
その夜、何千匹もの horseshoe crabs(カブトガニ) が産卵のためにいっせいに海から上がってくるのです。1匹のメスに数十匹のオスが覆いかぶさりキラキラ光る甲羅で数マイルにわたるビーチが埋め尽くされます。
Keith Rutter さんはこの年に1度の光景を見るのが好きだといいます。彼と彼の家族はただ見物するためにこのビーチにやって来るわけではありません。彼らは数を数えるために来るのです。
デラウェア湾沿岸は世界で最も広いカブトガニの産卵地です。しかし90年代から湾内のカブトガニの生息数は減少する一方です。そのためこの日、頭にヘッドランプを装着しウェーダーを着たボランティアたちが恋するカニたちの数を数えて記録するために集まったわけです。
カブトガニは生きた化石といわれており、その奇妙な形状は4億年以上前から変わらないといいます。彼らは火山の時代も氷河期も生き残ってきましたが、このビーチでのイベントは命がけです。約10パーセントのカブトガニは繁殖行動の最中さかさまになった体をもとに戻せず死んでしまうのです。
夜の調査を指導している Delaware Division of Fish and Wildlife(デラウェア魚類野生生物局) の水産科学者 Stew Michels 氏によると、一塊になったカブトガニをチェックしたところ、1匹のメスに数匹のオスが重なりおよそ10センチ砂に埋まっていたそうです。
1回の産卵でメスは約4000個の小さなグリーンの卵を産みます。運のいい卵は数週間で孵化し、10億匹にものぼるカブトガニのベビーが波間に消えていくのです。
午後9時4分ちょうど、満潮になるとともにチームは行動を開始します。1平方メートル内で産卵中のカブトガニを手探りで探しオスとメスの数をそれぞれ数えるのです。この日 Rutter さんの末娘 Jordan さんは13匹のオスと2匹のメスを見分けました。
波間で何層にも重なっているカニたちを数えるのはやさしい作業ではありません。しかし Rutter さん一家は素早く行動します。彼らは潮が引きカニたちが海に消えてしまう前にビーチの1キロ分をカバーしなければならないからです。
日の出までにほとんどのカブトガニは姿を消します。産卵後は卵が砂に覆われ浜辺はエメラルドグリーンに輝くといいます。
最新の調査によるとカブトガニの生息数は安定してきているとのこと。そしてここに集まった誰もが今回の調査結果が産卵数の増加を示すことを願っているのです。
◆◇◆
静岡大学の伊藤富夫研究室「アメリカのカブトガニ工場」によると、1850年ごろから1970年頃までデラウェア湾近辺には肥料やエサにするためカブトガニをすりつぶして加工する工場があったそうです。栄養価も高く優秀な有機肥料だったようですが、乱獲でカブトガニが激減したことに加えて安価な化学肥料の登場でこの工場もなくなったのだそうです。今では保護政策も採られており以前ほどとはいかないまでも数は増えているようです。
カブトガニとは関係ありませんが興味深いニュースを見つけました。北海道の羅臼町沖の根室海峡ではオスのマッコウクジラの回遊時期を迎えているそうです。知床半島周辺海域はクジラやイルカなど鯨類の宝庫で、回遊が見られるのは7月から9月にかけてとのこと。2005年に知床が世界自然遺産に登録されてから本格的にホエールウォッチングが始められ、全国から観光客が訪れるそうです。
生きた化石と大量絶滅 メトセラの軌跡
鳥羽水族館館長のジョーク箱(ボックス) アッと驚く動物たちの知恵
Posted by うおみ at 15:19│Comments(0)
│お魚ニュース
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
