2008年07月04日
タコはやっぱり役に立つという話
こんなニュース見つけちゃいました。お魚ニュースといいつつ本日は脳みその話です。
ニュースの概要だけ紹介しています。詳しい話はこちら
July 02, 2008 ISRAEL21c
イスラエルの研究者によると、タコを研究することによって人間の脳がどのように記憶を蓄えそれを呼び起こすのかが明らかになる可能性があるとのことです。
エルサレムにある Hebrew University(ヘブライ大学) の神経生物学部 Benny Hochner 博士は数年にわたりタコやその仲間が属する頭足類を研究してきました。中でもタコは最も知能の高い無脊椎動物であるとみなされています。というのも脳が比較的大きく、様々なことを学習し記憶課題をこなすことができるからです。
博士の発見によると、短期記憶と長期記憶を作り出す際に long-term
synaptic potentiation (LTP、長期増強) が重要な役割を果たしていることが分かったそうです。この現象はシナプスを通じて電気信号を強めることによって神経細胞間の情報の変換を加速させるものです。
以前の研究で博士は、タコの脳で学習と記憶に重要な役割を果たすことが知られている場所は、活発で LTP 活動依存的なところであり、その過程は脊椎動物の脳とよく似ていることを発見していました。
研究者達の間では脳内の記憶を蓄える場所ではシナプスの結びつきはこの LTP に誘発されることで強くなると考えられています。Hochner 博士はこの過程は長い間情報を蓄えておく神経単位のネットワークでの
"engraving of memory traces(記憶痕跡の刻み込み)" であると考えているのです。
今回の研究で彼はこの仮定をタコを使って実験しました。タコが課題を覚えるときに LTP を使う能力を人工的にブロックする実験を行ったのです。タコが課題をトレーニングする前に少しだけ LTP をブロックすると、その翌日長期記憶のテストをした場合タコは課題を覚えていませんでした。
また脳内の特別な接続が損なわれることにより、知覚情報が学習と記憶をつかさどる場所にたどり着くことを妨げられた場合も同じ結果が得られました。博士はこれらのことは LTP が記憶を作るうえで重要であるという発見を支える結果であり、LTP の過程は学習と記憶を調停するのに効果的なメカニズムであるということができるのではないかと語ります。
Hochner 博士は他の動物や人間の脳では記憶を蓄える際やその記憶を呼び起こすのに細胞レベルでどのようなプロセスをたどるのかを理解するために更なる研究が必要であると強調しています。
◆◇◆
タコは賢い上に目もいいそうで、自分が初めての事でも見て覚える能力にかけてはチンパンジー並だという話ですね。初めは自力でペットボトルのふたを開けられない彼らも、水槽の前でペットボトルのふたを開けるところを見たあとでは軽々と開けてしまうとのこと。
タコとは関係ありませんがちょっとびっくりなニュースを見つけました。富山県船橋村の図書館にニホンカモシカが迷い込み大暴れしていった模様です。図書館に現れたのは体長約1メートル30のオスで1階の正面から自動ドアを通って入ってきたようです。県警署員や村職員ら10人がかりで1時間の捕り物の末麻酔入りの吹き矢で眠らせ山に帰したそうです。
人間もびっくりですが、シカもさぞびっくりしたことでしょうね。


シリーズ脳科学 5



生体電気信号とはなにか 神経とシナプスの科学

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July 02, 2008 ISRAEL21c
イスラエルの研究者によると、タコを研究することによって人間の脳がどのように記憶を蓄えそれを呼び起こすのかが明らかになる可能性があるとのことです。
エルサレムにある Hebrew University(ヘブライ大学) の神経生物学部 Benny Hochner 博士は数年にわたりタコやその仲間が属する頭足類を研究してきました。中でもタコは最も知能の高い無脊椎動物であるとみなされています。というのも脳が比較的大きく、様々なことを学習し記憶課題をこなすことができるからです。
博士の発見によると、短期記憶と長期記憶を作り出す際に long-term
synaptic potentiation (LTP、長期増強) が重要な役割を果たしていることが分かったそうです。この現象はシナプスを通じて電気信号を強めることによって神経細胞間の情報の変換を加速させるものです。
以前の研究で博士は、タコの脳で学習と記憶に重要な役割を果たすことが知られている場所は、活発で LTP 活動依存的なところであり、その過程は脊椎動物の脳とよく似ていることを発見していました。
研究者達の間では脳内の記憶を蓄える場所ではシナプスの結びつきはこの LTP に誘発されることで強くなると考えられています。Hochner 博士はこの過程は長い間情報を蓄えておく神経単位のネットワークでの
"engraving of memory traces(記憶痕跡の刻み込み)" であると考えているのです。
今回の研究で彼はこの仮定をタコを使って実験しました。タコが課題を覚えるときに LTP を使う能力を人工的にブロックする実験を行ったのです。タコが課題をトレーニングする前に少しだけ LTP をブロックすると、その翌日長期記憶のテストをした場合タコは課題を覚えていませんでした。
また脳内の特別な接続が損なわれることにより、知覚情報が学習と記憶をつかさどる場所にたどり着くことを妨げられた場合も同じ結果が得られました。博士はこれらのことは LTP が記憶を作るうえで重要であるという発見を支える結果であり、LTP の過程は学習と記憶を調停するのに効果的なメカニズムであるということができるのではないかと語ります。
Hochner 博士は他の動物や人間の脳では記憶を蓄える際やその記憶を呼び起こすのに細胞レベルでどのようなプロセスをたどるのかを理解するために更なる研究が必要であると強調しています。
◆◇◆
タコは賢い上に目もいいそうで、自分が初めての事でも見て覚える能力にかけてはチンパンジー並だという話ですね。初めは自力でペットボトルのふたを開けられない彼らも、水槽の前でペットボトルのふたを開けるところを見たあとでは軽々と開けてしまうとのこと。
タコとは関係ありませんがちょっとびっくりなニュースを見つけました。富山県船橋村の図書館にニホンカモシカが迷い込み大暴れしていった模様です。図書館に現れたのは体長約1メートル30のオスで1階の正面から自動ドアを通って入ってきたようです。県警署員や村職員ら10人がかりで1時間の捕り物の末麻酔入りの吹き矢で眠らせ山に帰したそうです。
人間もびっくりですが、シカもさぞびっくりしたことでしょうね。
シリーズ脳科学 5
生体電気信号とはなにか 神経とシナプスの科学
Posted by うおみ at 16:39│Comments(0)
│お魚ニュース
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