2008年09月17日
海の中は電飾系?・・・という話
こんなニュース見つけちゃいました。
ニュースの概要だけ紹介しています。詳しい話はこちら
September 16, 2008 theage.com.au
海に住む魚の多くが蛍光赤を発していることが分かったそうです。このネオンのような深紅色のディスプレーは間違いなく魚類学者の間に波紋を投じるか当惑を感じさせるだろうと魚の専門家は語っています。
太陽光の中で最も長い波長の可視光は水中で吸収されてしまうため海面から10メートルも下に届くことはなく、魚は赤い光を認識していないと考えられてきました。そしてまたこのことは魚たちの視界が狭いことともつながると仮定されてきました。
「魚は赤がよく見えていないとか全く見えないという説が優勢になってきたのはこの20、30年です。」とドイツの University of Tubingen(チュービンゲン大学) の研究者 Nico Michiels 氏は語ります。
しかしこの常識は間違っていたようです。「私達は昼間にリーフに差し込むブルーグリーンの光によって文字通り目がくらんでいたのです。」と彼は言います。
リーフに住む pygmy gobies(ピグミー・ゴビー、ハゼの類) や wrasses(ベラ) の仲間など少なくとも32種類の魚はクリスマスの電球のように赤く光ることが分かったのです。これは太陽光を反射したのではなく自ら発光しているのです。解剖によって明らかになったのは蛍光色はグアニン・クリスタルに起因するということでした。その合成化合物は光沢を出すためにマニュキアや車の塗装に添加され使われています。
Michiels 氏と彼の同僚がその魚の光を見つけたのは偶然の出来事だったそうです。ダイビングをしているときにグリーンとブルーの光をカットして赤だけを残すフィルターを通して海を見たところ、海の生き物がチェリー、深紅、ルビーなど様々な色に輝きだしたとのこと。リーフには魚のほかにも藻やサンゴなど蛍光性の生物がたくさんいるそうです。
ある種の魚が輝くことは研究所の実験でも確認でき、同時に多くの魚は完全に赤を見ている可能性が高いことも分かったそうです。
彼らが色を発する理由(ごく限られた狭い環境で見えるだけですが)の一つとしてコミュニケーションの手段であることが考えられます。恐らくメイティングのためか危険を知らせるサインではないかというものです。
また赤色を発することはある種のカモフラージュではないかとも考えられるといいます。「蛍光色を使って自分を見えやすくすることは一見奇妙に見えますが、リーフにいる魚の周りは蛍光色だらけなのでそこに紛れ込んでしまうと考えられるのです。」と Michiels 氏は語ります。
Michiels 氏は次のステップは、魚が蛍光を発する能力をどのように情報に結びつけているのかを明らかにすることだとしています。彼は技術を駆使して魚が求愛できるような環境を作り出して調査を続けるとのこと。
◆◇◆
魚はどんな色が見えるのかという研究が進んだ場合、釣り糸とかエサとかの色も変化していくのかもしれないですね。
クリスマスカラーついでにすごいニュースを見つけました。いまミドリムシがすごい、という話です。このムシ学名は「ユーグレナ」、淡水に住み運動しつつ光合成も行うという地球上で唯一の動物と植物の中間的微生物です。優れているのは光合成による CO2 固定効率でイネが0.7パーセントのところミドリムシは30パーセントもあるそうです。また彼らは水と栄養塩、太陽光と CO2 があれば人間に必要な栄養素をほとんど作り出せるのだとか。甲子園大栄養学部の中野教授は乾燥ミドリムシ入りクッキーを開発したそうですし、大阪の老舗昆布店は塩昆布にミドリムシの栄養成分を溶け込ませた新商品を開発中とのこと。ベンチャー企業による屋外大量培養にも成功しているそうでこれから何らかの形でブレイクしてくるのかもしれません。


生細胞蛍光イメージング 講義と実習 阪大・北大顕微鏡コースブック



実験がうまくいく蛍光・発光試薬の選び方と使い方

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September 16, 2008 theage.com.au
海に住む魚の多くが蛍光赤を発していることが分かったそうです。このネオンのような深紅色のディスプレーは間違いなく魚類学者の間に波紋を投じるか当惑を感じさせるだろうと魚の専門家は語っています。
太陽光の中で最も長い波長の可視光は水中で吸収されてしまうため海面から10メートルも下に届くことはなく、魚は赤い光を認識していないと考えられてきました。そしてまたこのことは魚たちの視界が狭いことともつながると仮定されてきました。
「魚は赤がよく見えていないとか全く見えないという説が優勢になってきたのはこの20、30年です。」とドイツの University of Tubingen(チュービンゲン大学) の研究者 Nico Michiels 氏は語ります。
しかしこの常識は間違っていたようです。「私達は昼間にリーフに差し込むブルーグリーンの光によって文字通り目がくらんでいたのです。」と彼は言います。
リーフに住む pygmy gobies(ピグミー・ゴビー、ハゼの類) や wrasses(ベラ) の仲間など少なくとも32種類の魚はクリスマスの電球のように赤く光ることが分かったのです。これは太陽光を反射したのではなく自ら発光しているのです。解剖によって明らかになったのは蛍光色はグアニン・クリスタルに起因するということでした。その合成化合物は光沢を出すためにマニュキアや車の塗装に添加され使われています。
Michiels 氏と彼の同僚がその魚の光を見つけたのは偶然の出来事だったそうです。ダイビングをしているときにグリーンとブルーの光をカットして赤だけを残すフィルターを通して海を見たところ、海の生き物がチェリー、深紅、ルビーなど様々な色に輝きだしたとのこと。リーフには魚のほかにも藻やサンゴなど蛍光性の生物がたくさんいるそうです。
ある種の魚が輝くことは研究所の実験でも確認でき、同時に多くの魚は完全に赤を見ている可能性が高いことも分かったそうです。
彼らが色を発する理由(ごく限られた狭い環境で見えるだけですが)の一つとしてコミュニケーションの手段であることが考えられます。恐らくメイティングのためか危険を知らせるサインではないかというものです。
また赤色を発することはある種のカモフラージュではないかとも考えられるといいます。「蛍光色を使って自分を見えやすくすることは一見奇妙に見えますが、リーフにいる魚の周りは蛍光色だらけなのでそこに紛れ込んでしまうと考えられるのです。」と Michiels 氏は語ります。
Michiels 氏は次のステップは、魚が蛍光を発する能力をどのように情報に結びつけているのかを明らかにすることだとしています。彼は技術を駆使して魚が求愛できるような環境を作り出して調査を続けるとのこと。
◆◇◆
魚はどんな色が見えるのかという研究が進んだ場合、釣り糸とかエサとかの色も変化していくのかもしれないですね。
クリスマスカラーついでにすごいニュースを見つけました。いまミドリムシがすごい、という話です。このムシ学名は「ユーグレナ」、淡水に住み運動しつつ光合成も行うという地球上で唯一の動物と植物の中間的微生物です。優れているのは光合成による CO2 固定効率でイネが0.7パーセントのところミドリムシは30パーセントもあるそうです。また彼らは水と栄養塩、太陽光と CO2 があれば人間に必要な栄養素をほとんど作り出せるのだとか。甲子園大栄養学部の中野教授は乾燥ミドリムシ入りクッキーを開発したそうですし、大阪の老舗昆布店は塩昆布にミドリムシの栄養成分を溶け込ませた新商品を開発中とのこと。ベンチャー企業による屋外大量培養にも成功しているそうでこれから何らかの形でブレイクしてくるのかもしれません。
生細胞蛍光イメージング 講義と実習 阪大・北大顕微鏡コースブック
実験がうまくいく蛍光・発光試薬の選び方と使い方
Posted by うおみ at 17:55│Comments(0)
│お魚ニュース
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