2008年11月10日
タコのご先祖様とは・・・という話
こんなニュース見つけちゃいました。お魚ニュースといいつつ本日はタコの話です。
ニュースの概要だけ紹介しています。詳しい話はこちら(可愛いタコの写真が載ってます。)
9 November 2008 BBC News
世界中の深海に住むタコの祖先は共通で、それは今でも南極海の冷たい海に生息していることが分かったそうです。
2000年に世界中の海の生物について詳しく調査する目的で世界規模でのリサーチプログラムが始まり、82カ国からおよそ2000人以上の科学者が参加しているそうです。このプログラム Census of Marine Life (CoML) は2010年後半に終了する予定です。
深海タコの進化についてのリサーチもこのプログラムの一環で Census of Antarctic Marine Life (CAML) と呼ばれています。CoML の様々なプロジェクトによって深海のタコが採集され DNA 調査が行われたとシニア・サイエンティストの Don O'Dor 博士は説明します。
DNA 調査を行った British Antarctic Survey (BAS、英南極調査所)の生物学者 Jan Strugnell 博士は様々な種類の深海タコの関係を調査しその起源を探りました。博士はタコの起源を3000万年前までさかのぼり共通祖先をつきとめることができたのです。
共通祖先と考えられるのは Megaleledone setebos と呼ばれる浅瀬のタコで、南極海でのみ見られる種類です。O'Dor 博士は近海の変化、特に "themohaline expressway"(熱塩海洋循環) の出現が重要な役割を果たしたと付け加えます。
海水が凍るときに淡水が氷の結晶を作り、塩分や酸素の濃度が濃い水を排出します。それらの水は周囲の海水よりも密度が濃いので下に沈み、海流に混ざったり深海に沈み込むことになるのです。海底には酸素はありませんがこのプロセスが始まるとき酸素が運ばれ、それとともにタコたちの南極から深海への移動が始まったのです。
またタコが深海の環境に適応した証拠としてあげられるのは墨袋がなくなったことだといいます。真っ暗な水中では自己防御のメカニズムは必要ないからです。
この大規模調査の結果は、一般的な海洋生物の調査、それぞれのワーキング・グループの調査結果、生物層に焦点を当てた内容に分けられ3冊の本にまとめられる予定とのこと。
◆◇◆
調査が進むにつれてまた新しい生物がでてきそうで楽しみです。
タコとは関係ありませんが喜ばしいニュースを見つけました。鳥取市沖約40キロに造った「カニ牧場」計画が成功しているそうです。このズワイガニの増殖場は91~00年に資源増殖、管理を目的にブロックを5ヶ所に設置し造成されたもの。今回初めて水中カメラが入れられブロック周囲の親ガニの様子の撮影に成功したそうです。生息密度は100平方メートル当たり1・34匹で、全体では40万匹以上と推定され、当初の予想を大幅に上回る結果になったとのこと。県水産課では将来を期待できると話しているそうです。


深海の不思議



物質循環のエコロジー

ニュースの概要だけ紹介しています。詳しい話はこちら(可愛いタコの写真が載ってます。)
9 November 2008 BBC News
世界中の深海に住むタコの祖先は共通で、それは今でも南極海の冷たい海に生息していることが分かったそうです。
2000年に世界中の海の生物について詳しく調査する目的で世界規模でのリサーチプログラムが始まり、82カ国からおよそ2000人以上の科学者が参加しているそうです。このプログラム Census of Marine Life (CoML) は2010年後半に終了する予定です。
深海タコの進化についてのリサーチもこのプログラムの一環で Census of Antarctic Marine Life (CAML) と呼ばれています。CoML の様々なプロジェクトによって深海のタコが採集され DNA 調査が行われたとシニア・サイエンティストの Don O'Dor 博士は説明します。
DNA 調査を行った British Antarctic Survey (BAS、英南極調査所)の生物学者 Jan Strugnell 博士は様々な種類の深海タコの関係を調査しその起源を探りました。博士はタコの起源を3000万年前までさかのぼり共通祖先をつきとめることができたのです。
共通祖先と考えられるのは Megaleledone setebos と呼ばれる浅瀬のタコで、南極海でのみ見られる種類です。O'Dor 博士は近海の変化、特に "themohaline expressway"(熱塩海洋循環) の出現が重要な役割を果たしたと付け加えます。
海水が凍るときに淡水が氷の結晶を作り、塩分や酸素の濃度が濃い水を排出します。それらの水は周囲の海水よりも密度が濃いので下に沈み、海流に混ざったり深海に沈み込むことになるのです。海底には酸素はありませんがこのプロセスが始まるとき酸素が運ばれ、それとともにタコたちの南極から深海への移動が始まったのです。
またタコが深海の環境に適応した証拠としてあげられるのは墨袋がなくなったことだといいます。真っ暗な水中では自己防御のメカニズムは必要ないからです。
この大規模調査の結果は、一般的な海洋生物の調査、それぞれのワーキング・グループの調査結果、生物層に焦点を当てた内容に分けられ3冊の本にまとめられる予定とのこと。
◆◇◆
調査が進むにつれてまた新しい生物がでてきそうで楽しみです。
タコとは関係ありませんが喜ばしいニュースを見つけました。鳥取市沖約40キロに造った「カニ牧場」計画が成功しているそうです。このズワイガニの増殖場は91~00年に資源増殖、管理を目的にブロックを5ヶ所に設置し造成されたもの。今回初めて水中カメラが入れられブロック周囲の親ガニの様子の撮影に成功したそうです。生息密度は100平方メートル当たり1・34匹で、全体では40万匹以上と推定され、当初の予想を大幅に上回る結果になったとのこと。県水産課では将来を期待できると話しているそうです。
深海の不思議
物質循環のエコロジー
Posted by うおみ at 14:28│Comments(0)
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