2008年11月29日
カルシウムが足りない!・・・という話
こんなニュース見つけちゃいました。お魚ニュースといいつつ本日は危機にある微小な生物の話です。
ニュースの概要だけ紹介しています。詳しい話はこちら
November 27, 2008 canada.com
カナダの湖ではかつて water flea(ミジンコ) がたくさん生息していましたが、今では激減しており、オンタリオ、ケベックからマリタイムにかけての生態系に大きな影響を及ぼしているそうです。
Environment Canada(カナダ環境省)、 Fisheries and Oceans
Canada(カナダ水産海洋省) などの科学者の調査によるとカナダの湖ではカルシウム分が減少しミジンコの殻や骨の形成ができなくなっているのです。
森林伐採と酸性雨がカルシウム減少の主な原因であると科学者は考えています。そしてこの状況は人知れず静かに進行し何らかの手を打たないと最悪の事態になるといいます。
生態系全体を崩壊させる可能性があると語るのは Queen's University(クイーンズ大学) の生物学者 John Smol 氏です。カナダ東部の湖でカルシウムが減少している事実は知られていましたが、研究者達がミジンコの現状を調査するまでは誰もその問題の深刻さに気づかなかったのです。ミジンコは生態系の要となる生物であり、炭鉱内のカナリア的存在だと Smol 氏は語ります。
ミジンコの殻形成の問題は単に様々な生物のエサとなるミジンコの数が減少するということだけではなく、多くのカルシウムを必要とするザリガニやヘビ、貝など様々な生物にも共通する問題です。
研究チームの一人 York University(ヨーク大学) の Norman Yan 氏によるとミジンコは水中のカルシウムの量に影響を受け、他の生物の少なくとも10倍のカルシウムを必要とすることが分かったそうです。カルシウムの量が1リットルにつき1.5ミリグラムより少なくなるとミジンコは殻を作るのに十分なミネラルを得られず繁殖できなくなるのです。
科学者の報告によるとカナダの湖の多くは危険なラインぎりぎりかそれを下回っています。カルシウムが減少したのは1970年代と1980年代の酸性雨がピークだった頃で、多くの湖では汚染のレベルは下がったにもかかわらずカルシウム濃度は回復していないのが現状です。
同様の問題は北部ヨーロッパやアメリカでも起こっているといいます。これらの地域では土壌のカルシウム分がもともと少ないのです。その上酸性雨が湖の周囲の土壌や岩のカルシウム分を奪い、こしとってしまいます。
ここで森林の伐採が大きな原因になると両氏は指摘します。木々は倒れて腐り土にカルシウム分を返す代わりに伐採され紙や建築資材になってしまうというわけです。枝や樹皮などの要らない部分を森に残しておくことでいくらかでもカルシウムを返すことができるのではないかと科学者達は考えているとのこと。
◆◇◆
ミジンコにカルシウムが必要というのは勉強不足のため初めて知りました。考えてみれば彼らは甲殻類なんですよね。
ミジンコとは関係ありませんが面白そうなニュースを見つけました。岩手県大船渡市の「三陸とれたて市場」のホームページ内でサケが遡上する水中映像を見ることができるそうです。ライブカメラは水中と上空に2台設置され、毎年1万匹のサケの迫力ある映像が見られそうとのこと。今後は定置網船やカキ養殖棚の作業船、番屋などにカメラを設置する予定だそうです。


カイミジンコに聞いたこと



ミジンコはすごい!

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November 27, 2008 canada.com
カナダの湖ではかつて water flea(ミジンコ) がたくさん生息していましたが、今では激減しており、オンタリオ、ケベックからマリタイムにかけての生態系に大きな影響を及ぼしているそうです。
Environment Canada(カナダ環境省)、 Fisheries and Oceans
Canada(カナダ水産海洋省) などの科学者の調査によるとカナダの湖ではカルシウム分が減少しミジンコの殻や骨の形成ができなくなっているのです。
森林伐採と酸性雨がカルシウム減少の主な原因であると科学者は考えています。そしてこの状況は人知れず静かに進行し何らかの手を打たないと最悪の事態になるといいます。
生態系全体を崩壊させる可能性があると語るのは Queen's University(クイーンズ大学) の生物学者 John Smol 氏です。カナダ東部の湖でカルシウムが減少している事実は知られていましたが、研究者達がミジンコの現状を調査するまでは誰もその問題の深刻さに気づかなかったのです。ミジンコは生態系の要となる生物であり、炭鉱内のカナリア的存在だと Smol 氏は語ります。
ミジンコの殻形成の問題は単に様々な生物のエサとなるミジンコの数が減少するということだけではなく、多くのカルシウムを必要とするザリガニやヘビ、貝など様々な生物にも共通する問題です。
研究チームの一人 York University(ヨーク大学) の Norman Yan 氏によるとミジンコは水中のカルシウムの量に影響を受け、他の生物の少なくとも10倍のカルシウムを必要とすることが分かったそうです。カルシウムの量が1リットルにつき1.5ミリグラムより少なくなるとミジンコは殻を作るのに十分なミネラルを得られず繁殖できなくなるのです。
科学者の報告によるとカナダの湖の多くは危険なラインぎりぎりかそれを下回っています。カルシウムが減少したのは1970年代と1980年代の酸性雨がピークだった頃で、多くの湖では汚染のレベルは下がったにもかかわらずカルシウム濃度は回復していないのが現状です。
同様の問題は北部ヨーロッパやアメリカでも起こっているといいます。これらの地域では土壌のカルシウム分がもともと少ないのです。その上酸性雨が湖の周囲の土壌や岩のカルシウム分を奪い、こしとってしまいます。
ここで森林の伐採が大きな原因になると両氏は指摘します。木々は倒れて腐り土にカルシウム分を返す代わりに伐採され紙や建築資材になってしまうというわけです。枝や樹皮などの要らない部分を森に残しておくことでいくらかでもカルシウムを返すことができるのではないかと科学者達は考えているとのこと。
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ミジンコにカルシウムが必要というのは勉強不足のため初めて知りました。考えてみれば彼らは甲殻類なんですよね。
ミジンコとは関係ありませんが面白そうなニュースを見つけました。岩手県大船渡市の「三陸とれたて市場」のホームページ内でサケが遡上する水中映像を見ることができるそうです。ライブカメラは水中と上空に2台設置され、毎年1万匹のサケの迫力ある映像が見られそうとのこと。今後は定置網船やカキ養殖棚の作業船、番屋などにカメラを設置する予定だそうです。
カイミジンコに聞いたこと
ミジンコはすごい!
Posted by うおみ at 16:18│Comments(0)
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